聖女王子とスパダリ女騎士 ~王女の護衛のはずが、寵愛を受けています~
「休憩室へ参りますか」
「そこまででは……ですが王太子殿下、体調がすぐれませんゆえ、外の空気を吸いに行きとうございます。お席を離れます御無礼をお許しください」
「相変わらず虚弱な」
そう言ってマルシエルが手を上げると、給仕が寄って来てワインの載ったトレイを差し出した。そのひとつを取り、セリスティアに差し出す。
「これでも飲め」
「ご配慮、ありがたく存じます」
セリスティアは礼を言ってひと口飲み、すぐに給仕に返した。
リーズロッテは意外に思った。この兄妹は仲が悪いと思っていたが、飲み物を差し出す程度には気遣いを見せるらしい。
「殿下、私がお供いたします」
ドルシュが張り切って前に出るのだが。
「今日はリーゼロッテにエスコートをしていただきましたので」
セリスティアは笑みを返して断った。通常はエスコートをした男性が寄り添うものだから、この断りは普通のものではあるのだが。
「こんな女に義理立てすることはないのですよ」
ドルシュがセリスティアに手を伸ばす。リーズロッテはとっさに割って入った。
「エスコートのご指名、一生の名誉でございます。本日の殿下は一段とお美しくあられる」
リーズロッテはセリスティアの銀の髪を救い取り、口付けた。その目は挑発するようにドルシュを見ている。
ドルシュは殺意のこもった視線をリーズロッテに向けるが、彼女は意に介した様子もなく、セリスティアを伴って背を向ける。
バルコニーへ出たセリスティアは、ふう、と大きな息をついた。
すぐ後ろに侍るリーズロッテはさりげなく、かつ油断なくあたりを見回している。
「そこまででは……ですが王太子殿下、体調がすぐれませんゆえ、外の空気を吸いに行きとうございます。お席を離れます御無礼をお許しください」
「相変わらず虚弱な」
そう言ってマルシエルが手を上げると、給仕が寄って来てワインの載ったトレイを差し出した。そのひとつを取り、セリスティアに差し出す。
「これでも飲め」
「ご配慮、ありがたく存じます」
セリスティアは礼を言ってひと口飲み、すぐに給仕に返した。
リーズロッテは意外に思った。この兄妹は仲が悪いと思っていたが、飲み物を差し出す程度には気遣いを見せるらしい。
「殿下、私がお供いたします」
ドルシュが張り切って前に出るのだが。
「今日はリーゼロッテにエスコートをしていただきましたので」
セリスティアは笑みを返して断った。通常はエスコートをした男性が寄り添うものだから、この断りは普通のものではあるのだが。
「こんな女に義理立てすることはないのですよ」
ドルシュがセリスティアに手を伸ばす。リーズロッテはとっさに割って入った。
「エスコートのご指名、一生の名誉でございます。本日の殿下は一段とお美しくあられる」
リーズロッテはセリスティアの銀の髪を救い取り、口付けた。その目は挑発するようにドルシュを見ている。
ドルシュは殺意のこもった視線をリーズロッテに向けるが、彼女は意に介した様子もなく、セリスティアを伴って背を向ける。
バルコニーへ出たセリスティアは、ふう、と大きな息をついた。
すぐ後ろに侍るリーズロッテはさりげなく、かつ油断なくあたりを見回している。