聖女王子とスパダリ女騎士 ~王女の護衛のはずが、寵愛を受けています~
「お前、人気なのだな」
 セリスティアの言葉が砕けていて、リーズロッテは少し意外に思った。
「そうなんですよ」
 リーズロッテは余裕の笑みを浮かべた。

「魔獣を退治しておりましたら、いつのまにやら人気が出ていました。珍獣と同じ、女だてらに魔獣を倒す私が珍しいだけのこと。にっこりと笑い返せばみな満足するのです」
「珍獣……まあ王族も似たようなものか」
 セリスティアは苦笑を漏らす。

「それにしても大変そうだな。あんな変なのにからまれて」
「いつものことです」

「あいつ、俺にも絡んでくるんだよ。めんどくさいったらない」
「噂では、殿下との結婚を目論んでいるとか」

「勘弁してくれよ」
 げんなりとするセリスティアに、リーズロッテはまた苦笑した。素を見せてくれるのが、少し嬉しくもある。

「最後には挑発していたな」
「なんだか腹が立ちまして。もう部隊も違うので、多少の仕返しは良いかと。殿下を利用させていただきました。お許しを」

「許す」
 即答に、リーズロッテは恭しく頭を下げる。

「しかし、あれはちょっとどきっとしたな。髪にキスをされるやつ」
「さようでございましたか」

「お前が平気そうなのが腹立つ」
 セリスティアがむっとしているのが、リーズロッテにはなんだか愉快だ。いつもは精霊だとか聖女だとか言われて穏やかな笑みを見せている彼をムッとさせた騎士など、自分くらいではないだろうか。
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