フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 静かに話しかけるヴィアトリス王妃の前で、どう微笑むのが正解だったのか。

「魔物の脅威のあるデズモンドでは、ゆっくりお茶など出来ないものだと思ってましたわ」
「……私は、討伐に行くことはなかったので、兄と比べましたら自由な時間もありました」
「あら、お兄さんがいらっしゃるの、そう」
「はい。歳の離れた兄と姉が二人います」

 まるで尋問を受けているような気分だった。
 ヴィアトリス王妃の顔は微笑んでいるというのに、その黒い瞳に見つめられていると、背筋が震える。

「末のお姫様だったのね。では、ご両親も貴女を手放すのは、さぞ寂しかったことでしょう」

 労わるような言葉だが、そこにぬくもりは感じない。
 少し俯いて言葉を探していると、エドワードが私の手を握った。

「ヴィアトリス王妃、ご心配をおかけして申し訳ありません。ですが、私がリリアナを幸せにします。フェルナンド公爵様とご家族にも、安心していただけるよう、必ず」

 毅然とした声に胸が締め付けられた。
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