フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「素敵な紅茶ですわね。リリアナ様、ありがとうございます」
「いいえ。皆様に喜んでいただければ、なによりです」
「こちらのお菓子もとても可愛らしいですわね。お花がのっていましてよ」
「ああ、それもリリアナが皆様に食べて頂きたいと、用意したものです」

 令嬢たちは楽しそうに微笑むエドワード様を見ると、声を揃えて「まあ」といいながら頬を染めた。

「エドワード様は、リリアナ様がとても愛しいようですわね」
「こんなに愛らしい方を迎えたんですもの、当然ですわ」

 私と年が近いだろう二人がにこにこ笑いながら囁き合うのが聞こえた。それが恥ずかしくて、思わず俯くと、ヴィアトリス王妃が「デズモンドでも」と口を開いた。

 びくりと肩を震わせて顔を上げると、ヴィアトリス王妃は静かにカップを受け皿に下ろした。

「デズモンドでも、薔薇の花をお茶にするのですか?」
「……いいえ」
「そう。では、どのようなお茶を飲むのかしら?」
「それは……ごく普通の紅茶を嗜みます」
「普通。そう……魔物の討伐に明け暮れる日々でも、お茶を飲む時間はあるのですね」

 穏やかな口調の中に、刺さる言葉を感じ、胸がざわついた。
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