フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 エリザ様も王妃の招待を受けてから、命を落としたんだもの。出来れば、同じ状況を作った方が、都合がいいかもしれない。

 エドワード様の手に引かれてベンチに戻ると、彼の手に引き寄せられた。

 逞しい腕に包み込まれると、確かな鼓動が耳に触れた。それは少し早くて、エドワード様も王妃の前で緊張していたのだと伝わってきた。

「本音をいえば、君を王妃から引き離したいのだが」
「そんなことでは、ヴィアトリス王妃を追い詰めることなどできません」
「わかっている。……リリアナ、君は賢い。だから、王妃の言葉に惑わされることはないだろう。しかし、彼女が何を隠し持っているかは、わからない」
「そうですね。得たいの知れないなにかを感じます。ですが、いざとなったら……」

 ブローチに触れ、そっとエドワード様を見上げる。

「私の全能力を使い、追い詰めてみせますわ」
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