フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~

第14話 王弟殿下は、魔族令嬢の身を案じる(エドワードside)

 庭でヴィアトリス王妃と遭遇してから三日後の夜のことだ。
 諸侯から届いた手紙に目を通していると、サフィアとデイジーが部屋を訪れた。二人の真っ青な顔を見て、すぐさまリリアナになにかあったのだと察した。

「どうした。リリアナになにかあったのか!?」

 椅子を蹴り倒し、ドアの前で佇む二人に近づくと、デイジーが一通の手紙を差し出した。

「ヴィアトリス王妃様から、リリアナ様へ招待状が届きました」
「……招待状?」
「殿下、リリアナ様を止めてください!」

 涙目のデイジーが声を荒げた。その背を摩るサフィアも、不安そうな顔で私を見ている。

 受け取った手紙を広げ、中身に目を通し、最後に記された署名を確認する。間違いなく、王妃のサインが記されていた。
 文面に目を通すと「夜のお茶会へご招待しますわ。貴女のこと、デズモンドのことを聞かせてちょうだい」と書かれている。しかも文末には、私に内緒で来るよう念押しまでされているではないか。
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