フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「習わし、ですか? 薬にも毒にもならない花を育てるだなんて、無駄ですね」
つい本音が口をついて出てしまった。だって、デズモンドではそう習ってきたから。
私に向けられたエドワード様の目が驚きに見開かれる。次の瞬間、その大きな口が楽しそうに声をあげた。
「はははっ、そうでもないさ」
「薔薇の実は食べることもできるし、花弁だって茶にできる」
「そうなのですか?」
美しさだけが取り柄だと思っていた薔薇の花が、まさか食用になるだなんて思いもしなかった。
棘の多い薔薇の花。デズモンドでは、美しさの中に武器を隠し持つ女の象徴とされている。フェルナンドの薔薇と呼ばれる私も、魔王様の武器でしかない。
人族の国ではそうじゃないだなんて。花を愛でた上に食べるだなんて。
あまりのことに、ただただ驚いて咲き綻ぶ薔薇の花を見つめていると、エドワード様が「花びらの砂糖漬けもあるぞ」といって、さらに私を驚かせた。
「……お菓子にするのですか?」
意外すぎる話に好奇心がくすぐられ、我慢できず訊き返していた。
つい本音が口をついて出てしまった。だって、デズモンドではそう習ってきたから。
私に向けられたエドワード様の目が驚きに見開かれる。次の瞬間、その大きな口が楽しそうに声をあげた。
「はははっ、そうでもないさ」
「薔薇の実は食べることもできるし、花弁だって茶にできる」
「そうなのですか?」
美しさだけが取り柄だと思っていた薔薇の花が、まさか食用になるだなんて思いもしなかった。
棘の多い薔薇の花。デズモンドでは、美しさの中に武器を隠し持つ女の象徴とされている。フェルナンドの薔薇と呼ばれる私も、魔王様の武器でしかない。
人族の国ではそうじゃないだなんて。花を愛でた上に食べるだなんて。
あまりのことに、ただただ驚いて咲き綻ぶ薔薇の花を見つめていると、エドワード様が「花びらの砂糖漬けもあるぞ」といって、さらに私を驚かせた。
「……お菓子にするのですか?」
意外すぎる話に好奇心がくすぐられ、我慢できず訊き返していた。