フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
涙をぼろぼろこぼすデイジーは、鼻を啜ると「諸刃の剣なんです」と呟いた。
「以前、お力を使われた時は、その反動で動けなくなり、三日ほど熱にうなされました」
「熱を? それほど身体に負担がかかるということか」
「魔王様が仰られてましたが……あの能力は、時として能力者の精神を蝕むそうです」
「……精神を?」
「熱を出したのは、見える拒絶反応だそうです。負担をかけすぎると、意識が戻らないこともあると」
庭で私に「人の本心を喋らせることができます」と耳打ちをしたリリアナは、そんな危険なことがあるとはいっていなかった。
てっきり、自白させる話術のようなものだと思っていたが、そうではないのか。
「殿下、お願いします。リリアナ様を、お止めください!!」
床に崩れ落ちたデイジーが声を上げて泣く。その様子を目の当たりにし、リリアナの毅然とした横顔を思い浮かべながら唇を噛んだ。
「以前、お力を使われた時は、その反動で動けなくなり、三日ほど熱にうなされました」
「熱を? それほど身体に負担がかかるということか」
「魔王様が仰られてましたが……あの能力は、時として能力者の精神を蝕むそうです」
「……精神を?」
「熱を出したのは、見える拒絶反応だそうです。負担をかけすぎると、意識が戻らないこともあると」
庭で私に「人の本心を喋らせることができます」と耳打ちをしたリリアナは、そんな危険なことがあるとはいっていなかった。
てっきり、自白させる話術のようなものだと思っていたが、そうではないのか。
「殿下、お願いします。リリアナ様を、お止めください!!」
床に崩れ落ちたデイジーが声を上げて泣く。その様子を目の当たりにし、リリアナの毅然とした横顔を思い浮かべながら唇を噛んだ。