フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~

第16話 魔族令嬢の決意は変わらない

 静まり返った夜、デイジーとサフィアを連れて、約束通りエドワード様の部屋を訪れると、ローレンスが出迎えてくれた。

 エドワード様に招かれ、柔らかな長椅子へと並んで腰を下ろした。

「リリアナ、気持ちは変わらないか?」
 
 手を握って確認をするエドワード様に「もちろんです」と返すと、彼は少し困った顔をして微笑みながら頷いた。

 私のことを心配される気持ちが痛いほど伝わってくる。
 だけど、その気持ちと同じくらい、私も彼の力になりたい。その気持ちも変わらない。

「大丈夫。きっと、上手くやるわ」
「……わかった。──ローレンス、あれを」

 諦めたように笑ったエドワード様が指示すると、ローレンスはテーブルに丸めた大きな紙を広げた。城の見取り図だ。

「王妃の私室は、私たちの部屋とは別棟にある。だが、作りはそう変わらず、国王の部屋と扉で繋がっている」

 エドワード様が指し示した箇所を目で追い、そのすぐ横を見た。
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