フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 地方貴族の繋がりが多いパスカリス侯爵を味方につけるのは、まだわかるわ。王妃に貢ぐだけの財産もあるだろうし。

 でも、財政難の貴族では旨味が少ないと考えるのが、自然じゃないかしら。

 ノーブル家、セルダン家、共に農業を中心とした地方貴族だったはずよ。特に産業が発展している訳でも、大きな騎士団を有しているとかでもないわ。なにがメリットなのか──

「自由農民でしょう」
「……え?」

 自由農民って、つまり、自分の土地を持っていて決められた税を納める農家のことよね。どういうことかしら?

「ノーブル家、セルダン家、どちらも自由農民が多く、無理な税の取り立てをしないと慕われています。内乱が起きたことがないそうです」
「優れた統治をされているのですね」
「財政難になっているのも、昨年の天候被害の影響だと聞いていますわ」
「……王妃は、両家の弱みを握り、自由農民から税をさらに搾り取ろうと考えているのでしょうか?」
「可能性はありますね。両家の弱みといえば、まだ嫁がれていないご令嬢たちでしょう」
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