フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 だけど、エドワード様からお声かけくだされば身を差し出すだけで、こんなに気を揉むこともないのよね。

「……私って魅力がないのかしら」

 胸元を押さえ、もう少しボリュームがあればいいのかと考えた瞬間、頬が熱くなった。

 脳裏に浮かんでいたのは、優しく微笑むエドワード様の優しい手と綺麗なお顔が私の肌に降れる姿で──なんて淫らなことを考えたのかしら。

 別に、そんな求められたいって思っているわけじゃないわ。

 そうよ。昼間に、夜のお務めについて家庭教師から改めて習ったから、こんなことを考えてしまうのよ。
 一ヶ月もお手付きにならないのは心配だっていわれて、ちょっと不安がよぎったから……

 エドワード様には前妃がいらっしゃる。
 事故で亡くなられたらしいけど……その方とは、夜をすごされていたのよね。

「私は……お飾りの薔薇なのかしら」

 扉に触れていた手を下ろし、静かに息を吐く。

 今日はダンスのレッスンで失敗したし、少し気が弱っているだけよね。嫌なことは寝て忘れよう。

 ベッドに戻ろうと踵を返した時だった。扉が静かにノックされた。

「リリアナ、起きているかい?」
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