フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
私の手を引く後ろ姿を見つめ、深く息を吸い込んだ。その瞬間、風が吹き抜け、真っ暗だった視界に光が溢れた。
森の木々が遠ざかる。
私の前を走っていたその人は、一つの石碑の前で立ち止まった。
再び強い風が吹き抜ける。その人が被っていた帽子が吹き飛ばされ、柔らかなハニーブロンドの髪が揺れた。
光が強くなる。その中、ゆっくり振り返ったその人は、柔らかな微笑みが浮かべた。そうして、小さな唇で「リリアナ」と呟いた。
「あなたは……エリザ様?」
優しい微笑みが光に飲み込まれていく。それに手を伸ばして「待って!」と叫んだ時──
「リリアナ!」
目を開けた先に、不安そうな顔をしたエドワードがいた。美しい若葉色の瞳が潤み、頬を涙が伝い落ちる。
「……エド?」
「ああ、そうだ。私だ。エドワードだ……」
温かい手が頬に触れる。
ガラス細工に触れるように優しく、額と頬、髪にと触れたエドワード様は、深い息をつくと「よかった」と呟いて私の手を握りしめた。
エドワード様の後ろには、涙を流すデイジーがいた。
森の木々が遠ざかる。
私の前を走っていたその人は、一つの石碑の前で立ち止まった。
再び強い風が吹き抜ける。その人が被っていた帽子が吹き飛ばされ、柔らかなハニーブロンドの髪が揺れた。
光が強くなる。その中、ゆっくり振り返ったその人は、柔らかな微笑みが浮かべた。そうして、小さな唇で「リリアナ」と呟いた。
「あなたは……エリザ様?」
優しい微笑みが光に飲み込まれていく。それに手を伸ばして「待って!」と叫んだ時──
「リリアナ!」
目を開けた先に、不安そうな顔をしたエドワードがいた。美しい若葉色の瞳が潤み、頬を涙が伝い落ちる。
「……エド?」
「ああ、そうだ。私だ。エドワードだ……」
温かい手が頬に触れる。
ガラス細工に触れるように優しく、額と頬、髪にと触れたエドワード様は、深い息をつくと「よかった」と呟いて私の手を握りしめた。
エドワード様の後ろには、涙を流すデイジーがいた。