フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
昼間、デイジーとサフィアがつきっきりで看病をする横で、兄上と今後のことを話し、各方面への書状を出した。デズモンド王とフェルナンド公爵家へも急ぎ送った。
フェルナンド公爵──リリアナの兄から、短い文書が届いたのは、三日を過ぎた朝のことだった。
『フェルナンドの薔薇は強い。リリアナは少々強気で、貴公を困らせることもあろうが、愛しい者を置いていくような薄情な娘ではありません。どうか、信じて待ってください。必ず、貴公の元へ戻ることでしょう。』
早朝に届いた手紙を見て、涙があふれた。
リリアナを信じるといったではないか。私に出来るのは、待つことのみ。
「リリアナ……朝だぞ」
ベッドの上で眠るリリアナの額の汗を拭うと、小さな口が少しだけ動いた。
「ほら、今日もいい天気だ。……目が覚めたら、また出かけような」
ベッド横の小さなテーブルに手紙を置き、すっかり定位置になった椅子に腰を下ろす。
フェルナンド公爵──リリアナの兄から、短い文書が届いたのは、三日を過ぎた朝のことだった。
『フェルナンドの薔薇は強い。リリアナは少々強気で、貴公を困らせることもあろうが、愛しい者を置いていくような薄情な娘ではありません。どうか、信じて待ってください。必ず、貴公の元へ戻ることでしょう。』
早朝に届いた手紙を見て、涙があふれた。
リリアナを信じるといったではないか。私に出来るのは、待つことのみ。
「リリアナ……朝だぞ」
ベッドの上で眠るリリアナの額の汗を拭うと、小さな口が少しだけ動いた。
「ほら、今日もいい天気だ。……目が覚めたら、また出かけような」
ベッド横の小さなテーブルに手紙を置き、すっかり定位置になった椅子に腰を下ろす。