フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「して、リリアナの容態はどうなのだ?」
「しばらくは安静にしていだたく必要があります。ですが、もう大丈夫でしょう。頑張られましたね、王弟妃殿下」
人のよさそうな笑顔を浮かべた医者は、私の手をベッドに戻すと「しかし」と、少し厳しさを含んだ声で呟いた。
「しばらくは、苦い薬をお飲みいただきますよ」
「えっ……そんなに、苦いんですか?」
「ええ、それはとっても。魔力の回復で、ずいぶん身体に負担をかけたのですから、心して飲んで下さい」
苦いのはちょっと苦手だなと、ぼそぼそ呟くと、エドワード様がくすっと笑った。その後ろでサフィアが「蜂蜜を用意しましょう」といって笑い、デイジーも頷く。
穏やかな光景を前に、ほっと吐息が零れた。
こっちに戻ってきたんだ。
ぼんやりと夢の中のことを思い出していると、目を覚ました実感が少しわいてきた。
「しばらくは安静にしていだたく必要があります。ですが、もう大丈夫でしょう。頑張られましたね、王弟妃殿下」
人のよさそうな笑顔を浮かべた医者は、私の手をベッドに戻すと「しかし」と、少し厳しさを含んだ声で呟いた。
「しばらくは、苦い薬をお飲みいただきますよ」
「えっ……そんなに、苦いんですか?」
「ええ、それはとっても。魔力の回復で、ずいぶん身体に負担をかけたのですから、心して飲んで下さい」
苦いのはちょっと苦手だなと、ぼそぼそ呟くと、エドワード様がくすっと笑った。その後ろでサフィアが「蜂蜜を用意しましょう」といって笑い、デイジーも頷く。
穏やかな光景を前に、ほっと吐息が零れた。
こっちに戻ってきたんだ。
ぼんやりと夢の中のことを思い出していると、目を覚ました実感が少しわいてきた。