フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 私が黙って考えていると、優しい声が「それに」といった。

「少しは気晴らしになると思うんだ」
「気晴らしですか……エドワード様が望むのでしたら」
「ありがとう。明日は、君との時間を楽しみにして、頑張るよ」
「はい……おやすみなさい」
「ああ、おやすみ、リリアナ」

 心持ち嬉しそうな声が、耳に優しく残った。

 胸の内で、もう一度「おやすみなさい」と呟いた私の脳裏に、あの夢がよぎる。
 顔もわからない人影を、デイジーは「素敵な殿方が現れる予兆」だといっていた。もしかしたら、本当にそうなのかもしれない。

 夜のお誘いではなかったけど、エドワード様の気遣いに胸が甘くうずくようだった。
 ベッドに足を滑り込ませ、自分の肩を抱くようにして丸くなる。

 明日頑張れば、明後日は……
 デズモンドとは異なる日々に、私も相当疲れているのだろう。
 この夜は、エドワード様が私を呼ぶ声を思い出しながら、静かで優しい眠りに落ちていった。
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