フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~

第23話 魔族令嬢は、見舞いに訪れた国王の言葉にただ驚く

 寝室へ入られたロベルト王は、憑き物が落ちたようなさっぱりとした顔をしていた。

「気分はどうだ、リリアナ」
「はい。おかげさまで、こうして体を起こせるようになりました」
「それはなによりだ」

 にこにこと笑いながら、デイジーが用意した椅子に腰を下ろしたロベルト王はエドワード様を見ると「話はしたか?」と問いかけた。

 話ってなんのことかしら。ヴィアトリス王妃のことなら、今まさに話していたところだけど。
 少し首を傾げてエドワード様を見ると、なんとも渋い顔をしている。初めて見る表情だわ。

「その顔は、まだ話していないということか」
「兄上……私はお断りしたはずです」
「なにをいう。国家の先を考えるのも、王族の務めだろう」
「そうですが……」

 困り果てた様子のエドワード様を説得するようなロベルト王は、私の方を見て「リリアナからも説得をして欲しい」といった。
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