フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「……あの、陛下。なんのお話かわからないと、説得のしようがありません」
「いや、なに。そう難しいことではない。私は王位をエドワードに譲ろうと考えている」
とんでもない発言をさらりと口にしたロベルト王に反し、エドワード様は額を押さえて大きくため息をついた。
◇
ロベルト王から王位継承の話を聞かされてから五日が過ぎた。
すっかり歩けるまで回復した私は、再びダンスやお妃教育が開始されるようになった。でも病み上がりだからと、レッスンの時間はいつもの半分もない。
「こんな調子で、夜会に間に合うのかしら?」
「それは気にしなくていい。王妃が重い病にかかったという理由で、夜会も少しずらしたからな」
「そうなのですか?」
「代わりに、茶会は開いた方がいいだろうと、ベルフィオレ公爵夫人がいっていたな」
「……そういう重要なことは、早く教えていただきたいですわ!」
「ははっ、すまない」
笑いながら私の手を引くエドワード様は、パーゴラの中に入ると、クッションの積まれたベンチへと私を誘った。
「いや、なに。そう難しいことではない。私は王位をエドワードに譲ろうと考えている」
とんでもない発言をさらりと口にしたロベルト王に反し、エドワード様は額を押さえて大きくため息をついた。
◇
ロベルト王から王位継承の話を聞かされてから五日が過ぎた。
すっかり歩けるまで回復した私は、再びダンスやお妃教育が開始されるようになった。でも病み上がりだからと、レッスンの時間はいつもの半分もない。
「こんな調子で、夜会に間に合うのかしら?」
「それは気にしなくていい。王妃が重い病にかかったという理由で、夜会も少しずらしたからな」
「そうなのですか?」
「代わりに、茶会は開いた方がいいだろうと、ベルフィオレ公爵夫人がいっていたな」
「……そういう重要なことは、早く教えていただきたいですわ!」
「ははっ、すまない」
笑いながら私の手を引くエドワード様は、パーゴラの中に入ると、クッションの積まれたベンチへと私を誘った。