フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
薔薇の蔦が美しく絡まり緑に覆われた空間は、まだ陽射しが強い昼下がりでも、涼しい風が通り抜ける。
ベンチに寄り添って座ると、大きな手が私の腰を引き寄せた。
「疲れていないか?」
「もう、心配性ですこと」
「心配もするさ。五日前は立つことも出来なかっただろう?」
「お医者様の苦い薬で、すっかり元気ですわ」
毎日三回も飲んだ薬の味を思い出し、無意識に笑顔が歪んだ。すると、エドワード様の口角がひきつった。
「あー、あれな……」
「エドも飲んだことがありますの?」
「幼い頃にな。熱が出ると、必ず飲まされたんだが、口の中にじゃりじゃりと残るんだよな」
「そうなんです! もう、灰や砂利でも食べてるんじゃないかって思うくらい、何ともいえない味でしたわ」
思い出しただけでも口の中に苦味が広がる。
でも、ちゃんと薬を飲んだからか、お医者様も驚くほどの回復をみせ、今、こうして元の生活に戻りつつある。
ベンチに寄り添って座ると、大きな手が私の腰を引き寄せた。
「疲れていないか?」
「もう、心配性ですこと」
「心配もするさ。五日前は立つことも出来なかっただろう?」
「お医者様の苦い薬で、すっかり元気ですわ」
毎日三回も飲んだ薬の味を思い出し、無意識に笑顔が歪んだ。すると、エドワード様の口角がひきつった。
「あー、あれな……」
「エドも飲んだことがありますの?」
「幼い頃にな。熱が出ると、必ず飲まされたんだが、口の中にじゃりじゃりと残るんだよな」
「そうなんです! もう、灰や砂利でも食べてるんじゃないかって思うくらい、何ともいえない味でしたわ」
思い出しただけでも口の中に苦味が広がる。
でも、ちゃんと薬を飲んだからか、お医者様も驚くほどの回復をみせ、今、こうして元の生活に戻りつつある。