フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
エドワード様の頬を濡らした涙を指で拭い、もう一度「助けてくださり、ありがとうございます」といった時、ふわりと甘い香りを含んだ風が吹き抜けた。
「救われたのは、私だ」
「……エド?」
風を振り返ったエドワード様は私の手を引き、甘い香りがする方向へと歩き出す。
なにかに誘われるように、私たちは薔薇の植え込みの間を進んだ。
その先に現れたのは、真っ白な小花が咲き誇る樹木だった。五メートルはあるだろう背の高い木の側には、ヒマワリが咲いている。
風が吹き抜けるとヒマワリが揺れ、白い小花からは優しく甘い香りが広がった。
「これはエルダーフラワー?」
「エリザが好きだった花だ。恋人と愛を誓い合った場所に咲いていたそうだ」
「救われたのは、私だ」
「……エド?」
風を振り返ったエドワード様は私の手を引き、甘い香りがする方向へと歩き出す。
なにかに誘われるように、私たちは薔薇の植え込みの間を進んだ。
その先に現れたのは、真っ白な小花が咲き誇る樹木だった。五メートルはあるだろう背の高い木の側には、ヒマワリが咲いている。
風が吹き抜けるとヒマワリが揺れ、白い小花からは優しく甘い香りが広がった。
「これはエルダーフラワー?」
「エリザが好きだった花だ。恋人と愛を誓い合った場所に咲いていたそうだ」