フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 ◇

 秋の薔薇が美しく庭を彩る頃、エドワード様と私の婚姻を祝う夜会が開かれた。

 国中から、多くの諸侯が祝いに駆けつけた。
 お茶会で何度かお会いしたご令嬢たちも、競うように華やかな姿で訪れた。

 大広間のシャンデリアが燦然と輝き、庭に咲く薔薇が壁を彩る。弦楽の調べが静かに流れる中、諸侯の笑い声が穏やかに響いた。

 深紅の薔薇を思わせるドレスを揺らし、エドワード様のエスコートで広間に足を踏み入れると、歓声と拍手が巻き起こった。

 心配されていた王妃派諸侯がなにか仕掛けてくる様子や、私を魔族の女だと冷ややかにいう令嬢もなく、時は緩やかにすぎていく。

 エドワード様と二人、次々と挨拶に来る諸侯へ笑顔を振りまいていると、現れた令嬢たちが淑女の挨拶を披露した。

「リリアナ様、お招きありがとうございます」
「本日は、誠におめでとうございます」

 少し控えめだけど愛らしいドレスに身を包むのは、クラリッサとマリアンヌ。その顔は笑顔で輝いている。
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