フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 あの日以来、手紙のやり取りをしていたけど、こうして顔を見るのは本当に久しぶりだった。

「クラリッサ、マリアンヌ!」

 思わず二人を抱き締めると、辺りがざわめいた。二人も「リっ、リリアナ様!?」と慌てた声を上げる。
 王弟妃殿下という立場は厄介ね。せっかくお友達に会えたというのに、抱き締めたくらいでざわつくんですもの。

 周囲から注目される中、少し二人から距離をとって「よかったわ」と呟く。

「二人とも体調がすぐれないと聞いて心配していたのよ」
「お心遣い、ありがたき幸せです」
「私が寝込んでいる時に果物を送ってくれたのは、クラリッサとマリアンヌでしょ? それに私……歳が近いお友達が欲しかったの。だから、こうして来てくれて嬉しいわ」

 二人の手を握りしめると、白い頬がピンクに染まった。

「また、アルヴェリオンの話を聞きたいわ。仲良くしてくださいね」
「リリアナ様……身に余る光栄です」
「これからも、お側にお仕えいたします」

 二人の瞳に涙が浮かんでいた。
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