フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
「エド……あなたが選んだ道に、私は従います。私はあなたの薔薇。どんな未来も共に進みます」

 エドワード様の手を握り返すと、彼の瞳が光を浴びて輝いた。
 今にも頬を伝いそうな涙をハンカチでそっと拭い「意外と泣き虫ですわね」と微笑めば、エドワード様は「情けないな」と呟いた。

 見つめ合って笑う私たちに、ロベルト王の声が優しくかけられた。

「エドワード、リリアナ。二人の好きなようにすればよい。だが、私が王でいられるのは、命があるまでだ。その時が来たら……嫌でも、お前が王になる。そのことは、忘れないでくれ」
「兄上……」
蟄居(ちっきょ)して、畑でも耕そうと思っておったが、もうしばらく国のために働くとしよう。二人とも、手伝ってくれるのだろう?」

 ロベルト王の言葉に、私たちは手を握り合ったまま「御心のままに」と声を揃えた。
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