フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 秋の薔薇が魔法の灯に照らされ、見上げる空には星のベールが広がる。庭園はなんとも幻想的な光で包まれていた。

「エド、皆さんがいるのに、いいのですか?」
「少しくらい、いいだろう」

 笑っていうエドワード様は、赤い薔薇で覆われたパーゴラの中へと私を誘うと、側に控えるデイジーとローレンスを下がらせた。

 大広間から賑やかな楽曲が聞こえてくる。

「ダンスが始まったみたいですよ。行かなくてよろしいのですか?」
「少し休んでからでも問題ないだろう」

 誘われるままベンチに腰を下ろし、エドワード様と向き合う。

「……エド、どうしたの?」

 左手をそっと握るエドワード様を不思議に思い、小首を傾げていると、静かな声が「リリアナ」と私を呼んだ。
 少しひんやりとした秋風が、赤い薔薇を揺らした。

「君を迎える前、私はエルダーフラワーの木に、君を守ると誓った」

 夏の陽射しの下で見上げた真っ白な花が、脳裏に浮かんだ。
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