フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 耳元で「リリアナ」と名を呼ばれる度に、身体の奥に火がついて震える。

 ああ、夜のお務めのマナーってなんだったかしら。本で学んだことなんて、ちっとも役に立たないわ。
 じくじくと広がるこの甘い痺れをどうにかして欲しいって、どうすれば伝わるのかしら。

「リリアナ、君が欲しい。すべてを見せてくれ」
「……口づけをください」

 そっと瞼を閉じれば、やわらかいものが唇に触れた。啄むように、ちゅっとリップ音を鳴らし、何度も、何度も口付ける。優しい口づけ、腰が甘くとろけそうになる。

 甘いワインの香りに息をつき、譫言のように「エド」と彼を呼んだ。
 そっと唇が離れていく。

「私は王弟エドワードの薔薇……すべてを、貴方様のものにしてください」

 精一杯のお願いに、エドワード様の瞳が光を受けて輝いた。それは、いつもの優しい眼差しとは違い、まるで獲物を前にした獣のようにギラギラとしている。

 ナイトドレスの胸元が寛げられ、熱い手が肌を撫でていく。
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