フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~

第4話 王弟殿下は、魔族令嬢から目が離せない(エドワードside)

 リリアナを迎えに部屋を訪れた時、エリザ──今は亡き妃が現れたのかと思った。
 彼女はヒマワリの花束のようなドレスを好んで着ていた。

 リリアナとは似ても似つかない、いつもどこか自信なさげに私を見ていた彼女の顔が、恥ずかしそうなリリアナに重なった。

「……おかしな格好をしているでしょうか?」

 愛らしい瞳が少し伏せられ、ハッとする。
 私はなんて酷いことを考えたんだ。よりによって、亡き妃の面影を見るなど。
 こんな私のもとに来てくれたリリアナに失礼すぎる。それに……

「そんなことはないよ。よく似合っている」

 いつもの華やかなドレスと異なる愛らしい姿を素直に褒めれば、リリアナの白い頬が色づき、うら若き乙女の笑みを見せてくれた。

 手を差し出せば、柔らかく細い指が差し出された。

 出会った日に拒絶されたエスコートも、今ではすんなりと受け入れてくれようになった。それが嬉しくて、光栄だといえば口が上手だと皮肉られる。

 少しずつだが、私を受け入れようと健気に頑張っていることが伝わってくる。
 その思いに応えなければ……
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