フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
第6話 魔族令嬢は、王弟殿下の過去を知る
意を決して、私の手を握りしめるエドワード様に「お話しください」といえば、若葉色の瞳が細められた。どこか寂しげなのは、亡くなったエリザ様を思い出されているからかしら。
胸がチリチリと痛んだ。
「私とエリザは政略結婚だった。エリザは……国に愛する者がいた。だから、どうにか離縁してやりたかった」
「……離縁?」
「私に、彼女を愛する余裕などなかったからね」
そこにあるのは、後悔と苦しみの色。
あまりにも辛い表情で、今にも涙をこぼすのではないかと思った。だけど、エドワード様は私に微笑む。
今でもエリザ様のことを思っているのかしら。どうして、そんなに辛い顔をされるの?──素直に聞けばよかったのかもしれない。
でも、この時の私は、ただ黙ってエドワード様の手を握り返すことしか出来なかった。
「私に力があれば、彼女を死なせることはなかっただろう」
「……エリザ様は、事故死だとお聞きしましたが」
「ああ……そうだった。そうなる前に、国へ帰してやりたかった」
エドワード様の打ち明ける過去への思いが、私の胸に重くのし掛かるようだ。
胸がチリチリと痛んだ。
「私とエリザは政略結婚だった。エリザは……国に愛する者がいた。だから、どうにか離縁してやりたかった」
「……離縁?」
「私に、彼女を愛する余裕などなかったからね」
そこにあるのは、後悔と苦しみの色。
あまりにも辛い表情で、今にも涙をこぼすのではないかと思った。だけど、エドワード様は私に微笑む。
今でもエリザ様のことを思っているのかしら。どうして、そんなに辛い顔をされるの?──素直に聞けばよかったのかもしれない。
でも、この時の私は、ただ黙ってエドワード様の手を握り返すことしか出来なかった。
「私に力があれば、彼女を死なせることはなかっただろう」
「……エリザ様は、事故死だとお聞きしましたが」
「ああ……そうだった。そうなる前に、国へ帰してやりたかった」
エドワード様の打ち明ける過去への思いが、私の胸に重くのし掛かるようだ。