フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
可愛らしいリリアナのことを想像すると、心が軽くなる。ああ、私の横でずっと笑っていて欲しい。
その為にも、あの女の尻尾を掴まなければ──扉がノックされ、思考が途切れた。
扉に「ローレンスか?」と声をかければ、静かな声が返ってきた。
「はい。遅くなりました」
「入れ」
「失礼します。殿下」
部屋に入ってきた護衛騎士のローレンスは、機敏な動きで一礼する。
「昼間は付き合わせてすまなかったな」
「いいえ、殿下の護衛が私の任務ですから」
「リリアナの侍女も守ってくれただろう?」
「……侍女殿になにかあれば、妃殿下が悲しまれるでしょう」
「いい判断だ。これからも、リリアナのために動いてくれ」
テーブルの上に置いたグラスへブランデーを注ぎ、ローレンスにも「一杯どうだ?」と訊いてみるが、予想通り「また後日」と断られた。
一度たりとも、その後日が訪れたことはない。本当に真面目一辺倒な男だ。
「それで、今日の街中で不穏な動きはなかったか?」
その為にも、あの女の尻尾を掴まなければ──扉がノックされ、思考が途切れた。
扉に「ローレンスか?」と声をかければ、静かな声が返ってきた。
「はい。遅くなりました」
「入れ」
「失礼します。殿下」
部屋に入ってきた護衛騎士のローレンスは、機敏な動きで一礼する。
「昼間は付き合わせてすまなかったな」
「いいえ、殿下の護衛が私の任務ですから」
「リリアナの侍女も守ってくれただろう?」
「……侍女殿になにかあれば、妃殿下が悲しまれるでしょう」
「いい判断だ。これからも、リリアナのために動いてくれ」
テーブルの上に置いたグラスへブランデーを注ぎ、ローレンスにも「一杯どうだ?」と訊いてみるが、予想通り「また後日」と断られた。
一度たりとも、その後日が訪れたことはない。本当に真面目一辺倒な男だ。
「それで、今日の街中で不穏な動きはなかったか?」