フェルナンドの薔薇は王弟殿下の愛で輝く~政略結婚で人族に嫁いだ魔族令嬢は、王弟殿下の優しさで愛を知る~
 私たちと敵対することはないだろうが、衝動的に動かれても困る。
 早々に、こちらの考えを伝えておくべきか。

 グラスを揺らしながら思案していると、ローレンスが私の考えを察して「話されてはどうでしょうか?」といってきた。

「……そうだな」
「それに、このままお茶会を開かないままでは、事情を知らない者たちに不信感が募ります。お茶会を開くのでしたら、侍女殿にも警戒してもらうに越したことはありません」

 ローレンスの提案に、思わず低く唸った。

 そろそろ、茶会を開いて協力者にもリリアナとデイジーを引き合わせる必要があるだろうな。しかし、その場に王妃を呼ばないわけにもいかない。

 無意識にため息がこぼれ落ちた。

「ご心配な気持ちはわかります。ですが、城内で妃殿下のお立場を作るためにも、そろそろ動かれませんと」
「そうだな……三週間後、茶会を開こう。その前に、不可侵の森へ行く。あそこであれば、あの女の目も届くまい」
「……かしこまりました。護衛騎士の編成はお任せください」
< 96 / 275 >

この作品をシェア

pagetop