それも、初恋。。
 目の前のただならぬ光景に「ぬぉ?」と、焦って変な声が出た。

 殺風景な部屋で、泉が……泣いていた。
 手にしているのは……サクライさんの、あの便箋だ。
 金曜に見た時とは違って、文字がびっしり刻まれていた。

 サクライさんは、いなかった。

「何? どうした? 腹痛い?」

 自分でも見当違いな推測だと思いつつ、何が何だかわからず、オロオロする。
 佐藤さん、ちゃんと説明しといてくれよ。

 顔を上げた泉が、手紙をぎゅっと胸に押し付けながら、俺をガン見してくる。
 決心を固めたみたいな顔で、涙を乱暴に腕で拭った泉が「橘」と、低い声で呼んだ。

「え……」
 明らかに、怒っていた。
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