うちの生徒会長は今日も読めない



劇場なんてあまり縁のない場所だから想像できていなかったけれど、思った以上に大きな建物だった。

会場は、その建物の中で比較的小さめのホール。


ちょっとテンションが上がってきた。

指定の席に座り、ドキドキしながら開演を待つ。


周囲はわたしと同世代ぐらいの女の子たちが多い。さすがは10代女子のカリスマ原麗華。




「楽しみですねっ!」


「そうだな」




ワクワク感が最高潮に達して、パンフレットをめくりながら隣に座る会長に声をかけると、意外に優しい声が返って来た。

視線を向けると、場内の薄暗いライトに照らされた彼は柔らかな笑みを浮かべてこちらを見ていた。




「っ」




不意打ちだ。

いかん。毎度毎度忘れかけてしまうけれど、この人すごく顔が良いんだった。


心臓をバクバクさせながらわたしは幕の下りているステージの方に目を戻す。

お姉の晴れ舞台だというのに、隣に気を取られるなんて妹失格である。


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