うちの生徒会長は今日も読めない
「見てたけどさ、そのコーヒーの染み? それその女の子にぶつかる前から付いてたよね。自分でこぼしただけでしょ」
「そ、それは……」
「若い女の子相手にクソだせぇことしてたよって、あんたらのボスに教えてやんねぇとな」
「クソっ」
悪態をついた男は、拘束された腕を無理やり振りほどいて逃げるように走り去っていく。
こ、怖かった……。
わたしは腰が抜けそうになるのを必死に堪えて、助けてくれた彼の方を向く。
「あの、助けていただいてありがとうございました。アキラさん」
「どういたしまして」
アキラさん。前にこの街に来たとき知り合った男性。
東間敬人の三番目のお父さん。
「敬人と一緒? 今日は来るって聞いてないけど。つーか大事な彼女が変なのに絡まれてるのに何してんだあいつ」
「あ、いえ……今日は一人です」
「え、マジで? 普通の女子高生が一人で来る場所じゃねぇぞ、ここ」