うちの生徒会長は今日も読めない
そんな中でふと思い出したのが、アキラさんだった。
アキラさんは、わたしの知る中で唯一、会長が無条件に心から信頼しているように見えた。
あとは行動あるのみ。杏神街に行くのは怖いけれど、冬休みに一度行ったことで心理的ハードルは下がっていた。
下げるべきじゃなかったみたいだけれど。
「ま、それなら立ち話もアレだし、とりあえずうち来る? 俺も夜まで予定ないし」
アキラさんのご厚意に甘え、わたしは前に会長と訪れたあの雑居ビルの一室へとやってきた。
相変わらず散らかった場所だけれど、どことなく家に帰ってきたときのような落ち着いた気分になる。
アキラさんは、あの日と同じようにペットボトルのミルクティーをコップに注いで渡してくれた。
「あのところで……アキラさんって何者なんですか?」
ミルクティーを一口飲んで、わたしはそう聞いた。
先程この人は、ガタイの良い男を軽々と捻り上げ、さらには顔を見ただけで怯えさせていた。
アキラさんはいたずらっぽく笑って言う。