悪魔的生徒会長が妙に甘いのですが、これはどういうことでしょう??
放っておくのが最善なのは、知っているけれど。
わたしは、ようやく見つけたゴミ袋にゴミを残らず放り込み、それを左手に持つ。
そして右手ではスマホを持ちカメラを起動させた。
ゴミを捨てに行くついでにちょっと、本当にちょっと覗いてみるだけ。
眼鏡くん(仮)が金髪の不良(仮)に殴られてるとか、本当にヤバそうな状況だったら、せめて動画を撮影して証拠を残しておく。そして後で匿名で先生に通報。
それぐらいならできる。うん、たぶんできる。
と、いうわけで。
わたしはそろそろと忍び足になりながら社会科準備室を出た。
そういえばここの隣の部屋ってなんの部屋だったっけ。右隣は社会科教室だけど、声が聞こえてきたのは左隣。
まあ、不良がカツアゲに使うような教室が人の出入りが激しい部屋なわけないし、空き教室なのだろう。
そう予想していたので、扉の上に設置されたプレートを見て意外な気持ちになった。
“生徒会室”