見上げた星空に、奇跡が降る

18 星空がくれた答え

     ―迷い猫― 

 送信ボタンを押したあと、吐き出す息が震えた。
 
 モニターの画面がやけにまぶしく感じる。

 返事が来るまでの時間が、息苦しいほど長い。

 もし、学校に行くべきだと諭されたら……。

 それとも、何も言わずに話題を変えられたら……。

 考えれば考えるほど、手のひらがじっとりと汗ばんでいく。

 「!」 

 やっと通知が光った。

 怖くて、一瞬だけ画面から目をそらす。

 深呼吸してから、ゆっくりとメッセージを開いた。


 =行かなきゃいけない、なんて僕は思わないです。でも……もし外に出たいと思ったとき、

 その気持ちは大事にしてほしいなと思います=


 その一行を読んだ瞬間、胸の奥の硬い塊が少しだけ溶けた気がした。

 押しつけるわけでも、突き放すわけでもない。

 ただ、私の気持ちが動いたときに、それを大事にしろと言ってくれる。

 目の奥が熱くなる。

 こんなふうに言われたのは、初めてかもしれない。

 これまで私は「行くべき」か「行かないべき」か、二つの答えしかないと思っていた。

 でも、彼はその間にある、私のための時間や気持ちを認めてくれた。


 =……ありがとうございます=


 短く打って送信したけれど、本当はもっといろいろ伝えたかった。

 涙が流れてきた。

 今は、うまく言葉にならない。


 画面の向こうの彼が、きっと静かに笑ってくれている――そう思うだけで、心が軽くなっていった。
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