恋愛未経験な恋愛小説家の私を、何故か担当さんが溺愛してきます!?
「それで、デートの描写がうまくいっていない、という話でしたよね」
「は、はい……。あの、氷上さんはモテますよね?今までどんなところにデートに行かれたのか、その、参考にお聞かせ願えますか……?」
私がおずおずと質問すると、氷上さんは目を丸くしてぱちぱちと瞬きする。
「あー、えっと、お恥ずかしながら、私も先生のお役に立てるようなデートはしたことがなくて」
「えっ?そうなんですか?」
「はい……」と照れくさそうに頬を掻く氷上さんに、私も同じように目を丸くする。
「氷上さん、かっこよくてすごくモテそうなのに……」
思わず出てしまった私の言葉に、またも驚いた様な表情をする氷上さん。
「いえ、全然モテたりなんかしませんよ。私みたいな仕事人間は」
「そう、なんですか……」
引く手あまただと勝手に思っていたが故に、氷上さんの言葉は意外だった。
もしかして、私と同じで恋愛経験あんまりない……?
少し親近感が湧きそうになって、いやいや謙遜しているだけかもしれない。と私は考え直す。
だってこんなに爽やかでイケメンで高身長でスマートな氷上さんがモテないわけがない。
モテないとしたら相当性格に問題があるとかかもしれない。そんな風には見えないけれど。
また根暗陰キャ特有の偏見と妄想を膨らませていると、氷上さんが口を開く。
「琴葉先生。失礼ですが、現在お付き合いされている男性はいらっしゃいますか?」
「えっ……」
ギクッと肩が強張る。恋愛経験皆無の私が、苦手とする話題だった。
「い、いません、けど……」
私は俯きがちに答える。
「そうですか」
それだけ言った氷上さんは、しばし何か考え込むような表情を見せて。