溺愛しないで、お隣さん
こんなとこで泣いてたら誰に見られるか分からない。



まだ人の多い校門を顔を伏せて抜ける。



「プルルルル…」



ポケットに入れていたスマホが鳴り、見てみるとお母さんからの電話だった。



なんでこんな悲しい時にかけてくるかな…。



スマホを開くと残り3%。



やば、朝充電しなかったからだ。



この電話出たらバッテリー切れちゃうかもなぁ。



とはいえ出ないのも悪いかと思って声を整える。



「もしもし?入学式おわった?行けなくてごめんね。鍵は持ってるよね?あと荷物は夜くらいに届くはず!また夜電話するね!!」



アメリカに到着してテンションが上がっているお母さんの声を聞いて余計に悲しくなる。



あのね、私失恋したんだよ



そう伝える余裕はまだなくてまだ涙は止まらない。



「うん、ありがとう」



必死に軽く返事をして電話を切る。
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