転生小説家の華麗なる円満離婚計画
⑱
「第二王子殿下にご挨拶申し上げます。
本日は時間をつくってくださいまして、誠にありがとうございます」
「いらっしゃい、フューゲル夫人。
僕相手に堅苦しくする必要はないよ」
王城のサロンでカーテシーをする私に、第二王子殿下気さくに声をかけた。
あの夜会の数日後、私はヘンリックを通じ第二王子殿下に面会依頼を送った。
そして、それはあっさりと許可され、こうしてヘンリックと一緒にサロンに招かれたのだ。
「それで?
僕に話があるってことだったけど」
「はい。第二王子殿下に、折り入ってお願いしたいことがあるのです」
私はにっこりと笑って、殿下の顔を真正面から見た。
「私を、バルテン王国の聖女にしていただきたいのです」
殿下は大きく目を見開き、まず私の隣にいるヘンリックを見た。
ヘンリックが頷くと、また私を見て、それからぱちぱちと瞬きをした。
「ええと……夫人は、この前の夜会に参加してたよね?」
「はい。殿下にもご挨拶させていただきました」
「あの時の、アレも……見てた、よね?」
「はい。最初から最後まで、しっかり目撃しましたわ」
「聖女になるって……それがどういう意味か、わかってるんだよね……?」
「もちろんでございます。
私は、魔王様の花嫁になりたいのです」
「ええぇぇ……リック、夫人は正気なの?」
「リサはどこまでも正気ですよ」
にこやかに応える友人兼護衛騎士に、殿下は頭を抱えた。
本日は時間をつくってくださいまして、誠にありがとうございます」
「いらっしゃい、フューゲル夫人。
僕相手に堅苦しくする必要はないよ」
王城のサロンでカーテシーをする私に、第二王子殿下気さくに声をかけた。
あの夜会の数日後、私はヘンリックを通じ第二王子殿下に面会依頼を送った。
そして、それはあっさりと許可され、こうしてヘンリックと一緒にサロンに招かれたのだ。
「それで?
僕に話があるってことだったけど」
「はい。第二王子殿下に、折り入ってお願いしたいことがあるのです」
私はにっこりと笑って、殿下の顔を真正面から見た。
「私を、バルテン王国の聖女にしていただきたいのです」
殿下は大きく目を見開き、まず私の隣にいるヘンリックを見た。
ヘンリックが頷くと、また私を見て、それからぱちぱちと瞬きをした。
「ええと……夫人は、この前の夜会に参加してたよね?」
「はい。殿下にもご挨拶させていただきました」
「あの時の、アレも……見てた、よね?」
「はい。最初から最後まで、しっかり目撃しましたわ」
「聖女になるって……それがどういう意味か、わかってるんだよね……?」
「もちろんでございます。
私は、魔王様の花嫁になりたいのです」
「ええぇぇ……リック、夫人は正気なの?」
「リサはどこまでも正気ですよ」
にこやかに応える友人兼護衛騎士に、殿下は頭を抱えた。