転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「口で説明するだけではご納得いただけないと思いますので、こういったものをお持ちしました」
私はテーブルの上に、私の小説を並べた。
「ああ、これの歌劇をハイデマリーと観に行ったことがあるよ。
竜が人間に変身したりして、独創的で面白かったね」
殿下が指さしたのは、重版がかかり歌劇にもなった私の代表作の一つだった。
「まぁ! 光栄ですわ!
殿下に私の作品を褒めていただくなんて」
「……ん? 今、私の作品って言った?」
首を傾げた殿下に、私は笑顔で応えた。
「はい。これは全て、私が書いた小説です。
このユカリ・シキブというのは、私のペンネームなのです」
「ええぇ⁉ リック、本当なの⁉」
「剣に誓って、真実です」
「うわぁ~……嘘ぉ……」
殿下は本を手に取り、パラパラとページを捲った。
「その作品は、狼の獣人が主人公の恋人になるんです」
「狼の獣人……あった、この挿絵に描かれている、これだね。
狼の耳と尻尾がある人間って感じなのかな」
「そうです。狼の特性も兼ね備えた人間だと思っていただければいいかと」
「それはまた、独創的だねぇ」
獣人が登場する小説や漫画は前世ではたくさんあり、私はそういったファンタジーな設定の小説が好きで暇さえあれば読み漁っていた。
その時の記憶が、今の私の創作の種になっている。
そんな私の作品が、バルテン王国で広く受け入れられたのは幸いだった。
私はテーブルの上に、私の小説を並べた。
「ああ、これの歌劇をハイデマリーと観に行ったことがあるよ。
竜が人間に変身したりして、独創的で面白かったね」
殿下が指さしたのは、重版がかかり歌劇にもなった私の代表作の一つだった。
「まぁ! 光栄ですわ!
殿下に私の作品を褒めていただくなんて」
「……ん? 今、私の作品って言った?」
首を傾げた殿下に、私は笑顔で応えた。
「はい。これは全て、私が書いた小説です。
このユカリ・シキブというのは、私のペンネームなのです」
「ええぇ⁉ リック、本当なの⁉」
「剣に誓って、真実です」
「うわぁ~……嘘ぉ……」
殿下は本を手に取り、パラパラとページを捲った。
「その作品は、狼の獣人が主人公の恋人になるんです」
「狼の獣人……あった、この挿絵に描かれている、これだね。
狼の耳と尻尾がある人間って感じなのかな」
「そうです。狼の特性も兼ね備えた人間だと思っていただければいいかと」
「それはまた、独創的だねぇ」
獣人が登場する小説や漫画は前世ではたくさんあり、私はそういったファンタジーな設定の小説が好きで暇さえあれば読み漁っていた。
その時の記憶が、今の私の創作の種になっている。
そんな私の作品が、バルテン王国で広く受け入れられたのは幸いだった。