転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「私の作品は、歌劇になるくらい評価されたものもありますが、これだけでは私が聖女の称号を得るには足りないと思います。
なので、こういったものをお持ちしました」
私は持参したガラス瓶をテーブルに置いた。
中には、小さく切ってからカラカラに乾かした人参やキャベツなどが入っている。
「これは、水魔法で水分だけを抜き取った野菜です。
便宜的に、『乾燥食品製法』名付けました」
つまり、フリーズドライ製法のことだ。
凍らせていないのにこんな名前をつけたら紛らわしいので、とりあえずそれっぽい名にしたのだ。
「うん、そのようだね。
これがなんになるの?」
私は乾燥食品製法の利点を説明した。
まず、軽くて場所を取らない保存食を作ることができる。
これにより、兵糧や緊急時のために保管されている食料の種類や量を増やすことができる。
水分だけを抜くため、栄養素はほとんど損なわれることはない。
予め調味料も混ぜておけば、お湯を注ぐだけで栄養豊富な具だくさんスープとなるのだ。
「なるほどねぇ、水を抜くだけで……」
殿下はしげしげと瓶の中身を覗き込んだ。
「現状、バルテン王国は食料に困ってはおりませんし、これで今すぐ人命が助かるというようなものでもありません。
ですが、便利な技術であるというのは間違いないと思うのです。
小説家としての実績に加え、この技術をお伝えすることで、聖女という称号に足りるかどうか検討をしてみていただけないでしょうか」
水属性の魔法が使えるひとなら、食品から水を抜くのはコツさえ掴めば難しくはない。
そのうちどこかの商会に製法を売って、使用料を支払ってもらうことにしようと思っていたのだが、面倒だからと先延ばしにしておいてよかった。
殿下はガシガシと紺色の頭を掻いた。
「即答はできない。
父上にも相談しないといけないし、この乾燥食品製法に関しては、あれこれ実験してみないことにはなんとも言えないからね。
でも、検討はすると約束するよ」
「ありがとうございます、殿下!」
「父上たちにも同じ説明をしてもらうことになると思うから、そのつもりでね」
「はい、もちろんです。
心を込めて全力でプレゼンさせていただきます!」
ぐっと拳を握った私に、殿下は苦笑した。
なので、こういったものをお持ちしました」
私は持参したガラス瓶をテーブルに置いた。
中には、小さく切ってからカラカラに乾かした人参やキャベツなどが入っている。
「これは、水魔法で水分だけを抜き取った野菜です。
便宜的に、『乾燥食品製法』名付けました」
つまり、フリーズドライ製法のことだ。
凍らせていないのにこんな名前をつけたら紛らわしいので、とりあえずそれっぽい名にしたのだ。
「うん、そのようだね。
これがなんになるの?」
私は乾燥食品製法の利点を説明した。
まず、軽くて場所を取らない保存食を作ることができる。
これにより、兵糧や緊急時のために保管されている食料の種類や量を増やすことができる。
水分だけを抜くため、栄養素はほとんど損なわれることはない。
予め調味料も混ぜておけば、お湯を注ぐだけで栄養豊富な具だくさんスープとなるのだ。
「なるほどねぇ、水を抜くだけで……」
殿下はしげしげと瓶の中身を覗き込んだ。
「現状、バルテン王国は食料に困ってはおりませんし、これで今すぐ人命が助かるというようなものでもありません。
ですが、便利な技術であるというのは間違いないと思うのです。
小説家としての実績に加え、この技術をお伝えすることで、聖女という称号に足りるかどうか検討をしてみていただけないでしょうか」
水属性の魔法が使えるひとなら、食品から水を抜くのはコツさえ掴めば難しくはない。
そのうちどこかの商会に製法を売って、使用料を支払ってもらうことにしようと思っていたのだが、面倒だからと先延ばしにしておいてよかった。
殿下はガシガシと紺色の頭を掻いた。
「即答はできない。
父上にも相談しないといけないし、この乾燥食品製法に関しては、あれこれ実験してみないことにはなんとも言えないからね。
でも、検討はすると約束するよ」
「ありがとうございます、殿下!」
「父上たちにも同じ説明をしてもらうことになると思うから、そのつもりでね」
「はい、もちろんです。
心を込めて全力でプレゼンさせていただきます!」
ぐっと拳を握った私に、殿下は苦笑した。