転生小説家の華麗なる円満離婚計画
⑲ カリナ視点
気がつくと、私–––三沢カリナは、柔らかな芝が生えた地面の上に横たわっていた。
ここはどこだろう?
起き上がって周囲を見まわすと、奇妙なものを見つけた。
形としては樹なのだが、色合いがおかしい。
幹と枝が銀色で、そよ風に揺れる紺色の葉の間から赤い実がちらちらと覗いている。
作り物にしては、現実感があるというか。
そして、なんだか見覚えがあるような……
「わぁぁ!」
後ろから悲鳴が聞こえ振り返ると、持っていた籠を放り出して中年の男性が駆けていくところだった。
「衛兵! 衛兵! アブラッハの庭に侵入者が!」
「あぶらっは?」
それって、なんだったっけ。
私は頭を捻り……思い出した。
アブラッハとは、この奇妙な樹のことだ。
私が先日読んだに漫画に登場していた、回復効果のある赤い実をつける不思議な樹だ。
あの小説は、ヒロインが私と同じカリナという名だから気まぐれに手を出したのだが、その面白さにハマって最後まで一気読みしてしまったのだ。
アブラッハがあるということは、ここはあの漫画の中の世界なの?
そして、ヒロインの名はカリナ。
ここはどこだろう?
起き上がって周囲を見まわすと、奇妙なものを見つけた。
形としては樹なのだが、色合いがおかしい。
幹と枝が銀色で、そよ風に揺れる紺色の葉の間から赤い実がちらちらと覗いている。
作り物にしては、現実感があるというか。
そして、なんだか見覚えがあるような……
「わぁぁ!」
後ろから悲鳴が聞こえ振り返ると、持っていた籠を放り出して中年の男性が駆けていくところだった。
「衛兵! 衛兵! アブラッハの庭に侵入者が!」
「あぶらっは?」
それって、なんだったっけ。
私は頭を捻り……思い出した。
アブラッハとは、この奇妙な樹のことだ。
私が先日読んだに漫画に登場していた、回復効果のある赤い実をつける不思議な樹だ。
あの小説は、ヒロインが私と同じカリナという名だから気まぐれに手を出したのだが、その面白さにハマって最後まで一気読みしてしまったのだ。
アブラッハがあるということは、ここはあの漫画の中の世界なの?
そして、ヒロインの名はカリナ。