転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「エッカルト様!」
「カリナ、迎えに来たよ。
時間がかかって悪かったね」
安堵で涙を滲ませる私を、彼は牢から出して私の部屋に連れ帰ってくれた。
そして、そこには見たことがない騎士がいた。
「あれから、陛下や王子殿下も交えてきみの証言を協議した結果、きみには特別に護衛騎士をつけることになった」
「本日より護衛を務めさせていただきます、デニス・ランペルツと申します。
よろしくお願いいたします」
細身の長身を折って、彼はきっちりと礼をとった。
赤みががかった金髪に、切れ長の碧の瞳が涼し気な、なかなかのイケメンではないか。
ヘンリックともアンセルム大公とも違うタイプだが、悪くない。
「護衛騎士……ということは、私を守ってくれるの?」
「もちろんです。この身に代えても、カリナ様をお守りします」
ついさっき怖い思いをしたばかりの私にとって、それはとても嬉しいことだった。
ここは私がヒロインの漫画の中の世界のはずなのに、逆ハーレム構成員のイケメンたちはどれだけ頑張っても私に靡かなかった。
だが、考えてみればイケメンは四人の他にもたくさんいるのだ。
これだけシナリオからかけ離れた展開になっているのだから、あの四人にこだわる必要などないではないか。
私を好きになってくれるイケメンを探して、シナリオにない逆ハーレムを築けばいいのだ。
私はヒロインなだけあってこんなに可愛いんだから、それも可能なはずだ。
私はこの国を魔王から救う本物の聖女なのだ。
そのためにも、なんとしても逆ハーレムを築かなければ。
「ありがとう。
これからよろしくね、デニス」
握手をするつもりで差し出した手を、彼は握り返すのではなく手の甲にそっとキスをした。
その仕草がとても様になっていて、私は胸がドキッとすると同時に、明るい未来への展望が開けていくような気がしていた。
「カリナ、迎えに来たよ。
時間がかかって悪かったね」
安堵で涙を滲ませる私を、彼は牢から出して私の部屋に連れ帰ってくれた。
そして、そこには見たことがない騎士がいた。
「あれから、陛下や王子殿下も交えてきみの証言を協議した結果、きみには特別に護衛騎士をつけることになった」
「本日より護衛を務めさせていただきます、デニス・ランペルツと申します。
よろしくお願いいたします」
細身の長身を折って、彼はきっちりと礼をとった。
赤みががかった金髪に、切れ長の碧の瞳が涼し気な、なかなかのイケメンではないか。
ヘンリックともアンセルム大公とも違うタイプだが、悪くない。
「護衛騎士……ということは、私を守ってくれるの?」
「もちろんです。この身に代えても、カリナ様をお守りします」
ついさっき怖い思いをしたばかりの私にとって、それはとても嬉しいことだった。
ここは私がヒロインの漫画の中の世界のはずなのに、逆ハーレム構成員のイケメンたちはどれだけ頑張っても私に靡かなかった。
だが、考えてみればイケメンは四人の他にもたくさんいるのだ。
これだけシナリオからかけ離れた展開になっているのだから、あの四人にこだわる必要などないではないか。
私を好きになってくれるイケメンを探して、シナリオにない逆ハーレムを築けばいいのだ。
私はヒロインなだけあってこんなに可愛いんだから、それも可能なはずだ。
私はこの国を魔王から救う本物の聖女なのだ。
そのためにも、なんとしても逆ハーレムを築かなければ。
「ありがとう。
これからよろしくね、デニス」
握手をするつもりで差し出した手を、彼は握り返すのではなく手の甲にそっとキスをした。
その仕草がとても様になっていて、私は胸がドキッとすると同時に、明るい未来への展望が開けていくような気がしていた。