転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「そ、そんな……本当に松島さん……?」
「そうよ。ふふふ、やっとわかってくれたのね。
また会えてとっても嬉しいわ、三沢さん」
「ひぃっ……!」
前世と同じ呼び方をすると、カリナは先ほどまでとは違う怯えた顔になった。
「寝取った彼が私に心を残したままだったのが気に入らなかったのよね。
だから階段から突き落としたんでしょう?」
冴えない年増女に負けるなんて、可愛いことに命がけなカリナには許せなかったのだろう。
「ち、違います! 私は松島さんを殺してなんかいません!
あれは、事故だったって」
「そう、やっぱり事故ってことになったのね。
でもね、私ははっきり覚えているの。
血を流しながら倒れている私を見て、嬉しそうに笑っていたあなたをね」
「誤解です! 私はそんなことは」
「あなたが強かだってことはわかってたけど、まさか人殺しまでするなんてね。
そこまで大胆なことするとは思わなかったわ」
私はチラリとカリナの平らなままの腹部に目を向けた。
「でもまぁ、人殺しができるくらいなんだから、ひとの男を寝取った上に妊娠したって嘘をついて結婚に持ち込むくらい簡単よね」
「そ、それは」
「エコー写真見せられただけで信じちゃうとか、あのひとも詰めが甘いわよね。
営業部のエースとか言われてたくせに、お人よしなんだから」
彼のそんなところが好きだったのだが、もちろんそれはもう過去の話だ。
今ではもう顔もほとんど思い出せない。
「そうよ。ふふふ、やっとわかってくれたのね。
また会えてとっても嬉しいわ、三沢さん」
「ひぃっ……!」
前世と同じ呼び方をすると、カリナは先ほどまでとは違う怯えた顔になった。
「寝取った彼が私に心を残したままだったのが気に入らなかったのよね。
だから階段から突き落としたんでしょう?」
冴えない年増女に負けるなんて、可愛いことに命がけなカリナには許せなかったのだろう。
「ち、違います! 私は松島さんを殺してなんかいません!
あれは、事故だったって」
「そう、やっぱり事故ってことになったのね。
でもね、私ははっきり覚えているの。
血を流しながら倒れている私を見て、嬉しそうに笑っていたあなたをね」
「誤解です! 私はそんなことは」
「あなたが強かだってことはわかってたけど、まさか人殺しまでするなんてね。
そこまで大胆なことするとは思わなかったわ」
私はチラリとカリナの平らなままの腹部に目を向けた。
「でもまぁ、人殺しができるくらいなんだから、ひとの男を寝取った上に妊娠したって嘘をついて結婚に持ち込むくらい簡単よね」
「そ、それは」
「エコー写真見せられただけで信じちゃうとか、あのひとも詰めが甘いわよね。
営業部のエースとか言われてたくせに、お人よしなんだから」
彼のそんなところが好きだったのだが、もちろんそれはもう過去の話だ。
今ではもう顔もほとんど思い出せない。