転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「どうしたの?」

「それはこっちのセリフだ。
 その顔、どうしたんだよ」

「顔?」

 私は手で顔を触ってみたが、特に変わったところはない。

「悪ふざけにしても、悪質すぎるぞ」

「え、なにが?」

「鏡を見てみろよ」

 私は慌ててバスルームに向かった。

 そして、洗面台の前に立って、彼が言っていた意味がわかった。

「な……なによこれぇ!」

 私の顔に、くっきりと黒い文字が書かれていたのだ。

 右頬には、『私は松島紫を殺しました』。
 左頬には、『私は松島紫の男を寝取りました』。
 そして額には、『私は人殺しです。妊娠はしていません』と、それぞれはっきりと書いてあったのだ。

 私は慌てて顔をゴシゴシと洗ったが、文字は入れ墨のようになっていて、いくら洗っても少しも落ちない。

 そういえば、あの女はおまけをつけて私を日本に戻すと言っていなかったか。
 なんのことかわからなかったが、きっとこれがそのおまけなのだ。

 あの女、よりにもよって私の可愛い顔を!

 こんな顔では、外を歩くこともできないじゃない!

「カリナ、それは」

「嘘よ! こんなの嘘よぉぉ!」

 私は絶叫し、バスルームに崩れ落ちたのだった……
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