転生小説家の華麗なる円満離婚計画
 マリア? それって、マリアンネのこと?

 そういえば、彼がマリアンネの素顔を見るのは今日が初めてなのだ。

「もしかして……ヘンリック様の初恋の相手って……」

「薔薇色の髪……あの頃の面影もある……きみは、私がずっと探してたマリアだ!」

「ええぇ⁉」

 マリアンネの髪と素顔を見た使用人たちが、あんな反応をした理由がわかった。
 彼らは、ヘンリックが長い間探している初恋の女の子の特徴を知っていたのだ。

 なんたるめぐり合わせ。
 
 事実は小説より奇なりというが、まさにそれだ。

 あまりに予想外な展開に、私たちは顔を見合わせた。
< 47 / 147 >

この作品をシェア

pagetop