転生小説家の華麗なる円満離婚計画
王城の門に着き衛兵にエルヴィンが要件を告げると、事前にヘンリックが話を通してくれておいたようで、訓練場まで案内してくれた。
訓練場では、多くの騎士や従騎士だと思われる少年たちが真剣な顔で木剣や槍で打ち合っていた。
輝く金髪で長身のヘンリックはすぐに見つかった。
三十代くらいの体格がいい男性と木剣を構えて対峙しているが、余裕がある表情をしているのは剣術の腕はヘンリックの方が上だからなのだろう。
辺りを見まわしてみたが、今のところカリナらしい女性の姿はない。
訓練の邪魔をするわけにもいかないので、日陰のベンチに座って大人しく待つことにした。
複数の歓声が上がったので目を向けると、ヘンリックが相手の喉元に木剣を突きつけたところだった。
「リックは素敵ねぇ、マリー」
「ええ、本当に……」
マリアンネはぽーっとそんなヘンリックを見つめている。
家でエルヴィンと鍛錬している時とはまた違うヘンリックの凛々しい姿に、惚れ直しているようだ。
すっかり恋する乙女の顔になっている妹がなんとも微笑ましくて、私とエルヴィンはこっそりと顔を見合わせて笑った。
「やあ、フューゲル夫人。久しぶりだね」
そう声をかけてきたのは、ヘンリックと同じように簡素な騎士服を着た青年だった。
やや神経質そうな印象の整った容貌と、バルテン王家特有の紺色の髪をしたこの青年が、ヘンリックが仕えている第二王子殿下なのだ。
「お久しぶりでございます、第二王子殿下」
私は慌てて立ち上がってカーテシーをした。
結婚式の時に挨拶をして以来なので、殿下と会うのはこれで二度目だ。
訓練場では、多くの騎士や従騎士だと思われる少年たちが真剣な顔で木剣や槍で打ち合っていた。
輝く金髪で長身のヘンリックはすぐに見つかった。
三十代くらいの体格がいい男性と木剣を構えて対峙しているが、余裕がある表情をしているのは剣術の腕はヘンリックの方が上だからなのだろう。
辺りを見まわしてみたが、今のところカリナらしい女性の姿はない。
訓練の邪魔をするわけにもいかないので、日陰のベンチに座って大人しく待つことにした。
複数の歓声が上がったので目を向けると、ヘンリックが相手の喉元に木剣を突きつけたところだった。
「リックは素敵ねぇ、マリー」
「ええ、本当に……」
マリアンネはぽーっとそんなヘンリックを見つめている。
家でエルヴィンと鍛錬している時とはまた違うヘンリックの凛々しい姿に、惚れ直しているようだ。
すっかり恋する乙女の顔になっている妹がなんとも微笑ましくて、私とエルヴィンはこっそりと顔を見合わせて笑った。
「やあ、フューゲル夫人。久しぶりだね」
そう声をかけてきたのは、ヘンリックと同じように簡素な騎士服を着た青年だった。
やや神経質そうな印象の整った容貌と、バルテン王家特有の紺色の髪をしたこの青年が、ヘンリックが仕えている第二王子殿下なのだ。
「お久しぶりでございます、第二王子殿下」
私は慌てて立ち上がってカーテシーをした。
結婚式の時に挨拶をして以来なので、殿下と会うのはこれで二度目だ。