転生小説家の華麗なる円満離婚計画
「あんたにはヘンリック様がいるんだから十分でしょ!
侍従の一人くらい、ケチケチしないで私によこしなさいよ!」
エルヴィンを指さすカリナに、私はむっとした。
「お断りするわ。彼は物じゃないのよ。
そんな簡単にやりとりできるわけがないでしょう」
私が断ると、カリナはエルヴィンにまた上目遣いをした。
「私、回復魔法が使える聖女なの。
私の侍従になったら、きっといいことがあるわよ?」
「断る」
「ええぇ、なんでぇ? 私、聖女なのにぃ」
「きみは聖女ではない。
回復魔法が使えるというだけの、異邦人だ」
涙目になるカリナを、同じくむっとしたらしいヘンリックが硬い声でバッサリと切り捨てた。
「違います! 私は、本当に本物の聖女なんですぅ!
だって、この国を救えるのは私だけなんですからぁ!」
「この国を救う、だと……?」
ヘンリックだけでなく、それを聞いていた全員が眉を顰めた。
「どういう意味だ? なにから救うというんだ」
どうやらうっかり口を滑らせてしまたらしいカリナは、一瞬で空気が変わったことに気が付きオロオロし始めた。
「まさか、災害かなにか起こるというのか⁉」
「あ、ええっとぉ……」
「答えろ!」
ヘンリックに怒鳴られ、カリナがびくっと肩を震わせた。
侍従の一人くらい、ケチケチしないで私によこしなさいよ!」
エルヴィンを指さすカリナに、私はむっとした。
「お断りするわ。彼は物じゃないのよ。
そんな簡単にやりとりできるわけがないでしょう」
私が断ると、カリナはエルヴィンにまた上目遣いをした。
「私、回復魔法が使える聖女なの。
私の侍従になったら、きっといいことがあるわよ?」
「断る」
「ええぇ、なんでぇ? 私、聖女なのにぃ」
「きみは聖女ではない。
回復魔法が使えるというだけの、異邦人だ」
涙目になるカリナを、同じくむっとしたらしいヘンリックが硬い声でバッサリと切り捨てた。
「違います! 私は、本当に本物の聖女なんですぅ!
だって、この国を救えるのは私だけなんですからぁ!」
「この国を救う、だと……?」
ヘンリックだけでなく、それを聞いていた全員が眉を顰めた。
「どういう意味だ? なにから救うというんだ」
どうやらうっかり口を滑らせてしまたらしいカリナは、一瞬で空気が変わったことに気が付きオロオロし始めた。
「まさか、災害かなにか起こるというのか⁉」
「あ、ええっとぉ……」
「答えろ!」
ヘンリックに怒鳴られ、カリナがびくっと肩を震わせた。