転生小説家の華麗なる円満離婚計画
 そんなに長い間、たった一人のことを思い続けるなんて、きっと誠実な人なのだろう。

 それに、中途半端な高さの窓から飛び降りる妙な女を咄嗟に助けてくれるほど優しい。
 こんな状況でも、粗暴だったり傲慢だったりするような感じもない。

 ここで、私はピンときた。

 これは……チャンスなのでは⁉

「あなたは、初恋の女性としか結婚したくないのですよね?」

「はい、そうですね」

「それなのに、周囲の人たちに、結婚しろとせっつかれているのですね?」

「その通りですが……」

 話がどこに向かっているのかわからず、困惑しているらしい青年に、私は一気に詰め寄った。

「私と契約結婚いたしませんか⁉」
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