森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
「ななな何をなさるおつもりですか?」
「今から何をするのか、具体的に言葉で言われたいのか?」
「そ、そうではなくて! ヴァルト様はもうご自分のお部屋にお戻りにならないと……」
食事すら共にできないのが、神事での決まり事だった。
「ここはふたり部屋だ。オレたちは夫婦になった。同じ部屋で寝るのは当然だろう」
「えっ!?」
自分の太ももに挟まれたジークヴァルトが、無表情で返してくる。ほっぺたがむにっとなっているところが、何とも言えずシュールだった。そんなとき、ジークヴァルトがこっそり指を伸ばす。
「あっ! ンんんっ」
飛び出た自分の大きな声に、咄嗟に口を覆った。
「もう誰も聞いていない、好きなだけ声をあげればいい。――もっとも馬車の中で声を我慢するお前も、ものすごく可愛かったがな」
「――……っ!」
魔王の笑みのジークヴァルトが、動揺で緩んだ足の間に入り込んだ。
「ヴァルトさま、その前にせめて湯あみをっ」
「問題ない、あとでオレが入れてやる」
「あとじゃ意味がなああぁい……!」
その後の記憶はとぎれとぎれで、気づくと再び馬車に揺られていたリーゼロッテなのだった。
「今から何をするのか、具体的に言葉で言われたいのか?」
「そ、そうではなくて! ヴァルト様はもうご自分のお部屋にお戻りにならないと……」
食事すら共にできないのが、神事での決まり事だった。
「ここはふたり部屋だ。オレたちは夫婦になった。同じ部屋で寝るのは当然だろう」
「えっ!?」
自分の太ももに挟まれたジークヴァルトが、無表情で返してくる。ほっぺたがむにっとなっているところが、何とも言えずシュールだった。そんなとき、ジークヴァルトがこっそり指を伸ばす。
「あっ! ンんんっ」
飛び出た自分の大きな声に、咄嗟に口を覆った。
「もう誰も聞いていない、好きなだけ声をあげればいい。――もっとも馬車の中で声を我慢するお前も、ものすごく可愛かったがな」
「――……っ!」
魔王の笑みのジークヴァルトが、動揺で緩んだ足の間に入り込んだ。
「ヴァルトさま、その前にせめて湯あみをっ」
「問題ない、あとでオレが入れてやる」
「あとじゃ意味がなああぁい……!」
その後の記憶はとぎれとぎれで、気づくと再び馬車に揺られていたリーゼロッテなのだった。