森の魔女と託宣の誓い -龍の託宣5-
◇
「ジークヴァルト様、ご無沙汰しております」
「ああ」
「この度はリーゼロッテ様とのご婚姻、誠におめでとうございます。祝いの品は後日改めて贈らせていただきます。本日は他にやらねばならないことがあるため、手短な挨拶となることお詫び申し上げます」
「いや、構わない」
「有難きお言葉」
ジークヴァルトに騎士の礼を取ると、エーミールは横の執務机で仕事をしていたマテアスの真正面へと足を運んだ。かと思うと、白い手袋をいきなりマテアスの顔に叩きつける。
「マテアス・アーベントロート。わたしは貴様に決闘を申し込む」
「は? 嫌でございますよ。決闘は国で禁止されております。いかにエーミール様のお申し出でも、お受けは致しかねますね」
マテアスはあくまで冷静だ。手袋を拾えば受けて立つことになる。天然パーマの髪に引っかかった手袋を、頭を傾けて無造作に振り落とした。
「それにそのようなこと、旦那様がお許しになるはずもありません。そうでございますよね、旦那様」
「ジークヴァルト様、お願いいたします。どうかマテアスとの決闘の許可を」
同時に返答を迫られて、ジークヴァルトは無表情のまましばし沈黙を保った。
「……ああ、許す。死なない程度になら構わない」
「旦那様ぁ!?」
「寛大なご決断、感謝いたします」
がたっと乱暴に立ち上がったマテアスと対照的に、エーミールは深々と腰を折る。
「はぁ、仕方がありませんね。なんのおつもりかは知りませんが、やるからには手加減は致しませんよ」
「望むところだ」
しぶしぶといった様子のマテアスと共に、エーミールは訓練場へと向かった。
「ジークヴァルト様、ご無沙汰しております」
「ああ」
「この度はリーゼロッテ様とのご婚姻、誠におめでとうございます。祝いの品は後日改めて贈らせていただきます。本日は他にやらねばならないことがあるため、手短な挨拶となることお詫び申し上げます」
「いや、構わない」
「有難きお言葉」
ジークヴァルトに騎士の礼を取ると、エーミールは横の執務机で仕事をしていたマテアスの真正面へと足を運んだ。かと思うと、白い手袋をいきなりマテアスの顔に叩きつける。
「マテアス・アーベントロート。わたしは貴様に決闘を申し込む」
「は? 嫌でございますよ。決闘は国で禁止されております。いかにエーミール様のお申し出でも、お受けは致しかねますね」
マテアスはあくまで冷静だ。手袋を拾えば受けて立つことになる。天然パーマの髪に引っかかった手袋を、頭を傾けて無造作に振り落とした。
「それにそのようなこと、旦那様がお許しになるはずもありません。そうでございますよね、旦那様」
「ジークヴァルト様、お願いいたします。どうかマテアスとの決闘の許可を」
同時に返答を迫られて、ジークヴァルトは無表情のまましばし沈黙を保った。
「……ああ、許す。死なない程度になら構わない」
「旦那様ぁ!?」
「寛大なご決断、感謝いたします」
がたっと乱暴に立ち上がったマテアスと対照的に、エーミールは深々と腰を折る。
「はぁ、仕方がありませんね。なんのおつもりかは知りませんが、やるからには手加減は致しませんよ」
「望むところだ」
しぶしぶといった様子のマテアスと共に、エーミールは訓練場へと向かった。