贅沢悪女と断罪された私がドレスを脱ぎ捨てた結果。
フレデリックの声にユリシスが目を見開く。太陽のような瞳の圧が強い。彼は相当フレデリックに恨みがあるのだろう。フレデリックもユリシスから目を逸らさない。もしかしたら、今世でも彼を利用しようと目をつけてたのかもしれない。そこに、私が都合よく現れ、私を利用するプランに変更したと考えて良いだろう。

「そんなに見つめ合って、二人はもしかして恋に落ちたの?」

私がクスクス笑っていると、ユリシスは怒りを秘めた瞳で睨みつけてきた。
彼はどうやら察しの良い方ではなく、演技ができないらしい。冗談も通じるタイプではない。

そして、流石は革命の英雄だけあって「この男は何かをやり遂げる」感が半端ない。フレデリックが彼を警戒しているのがひしひしと伝わってくる。

「シェリル、私の気持ちを知りながら、残酷な事を言っている?」

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